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一般的にプロの補修業者さんが行う住宅内装(フローリング、建具など)の補修では、大量の有機溶剤を含有する補修材を使用します。
特別な換気装置があり、防毒マスクやゴーグルを着用して作業する事ができる工房内での補修作業であれば、一般的な補修作業で大量の有機溶剤を使用しても問題ありません。
但し、住宅補修をメインにされている補修業者の方は特別な換気装置の無い住宅で補修作業を行うケースが多いです。
このような場合は、職人さんはもちろん同室内にいる他の方にも有機溶剤中毒などの健康被害が生じるリスクが大幅に高まります。
「有機溶剤中毒予防規則」について詳しく知らない方も多いと思いますが、補修業者にも適用されるこの法令について理解しましょう。
有機溶剤中毒予防規則(有機則)とは?有機則をわかりやすく解説!
引用:まっすーの有機溶剤情報局
上記を読んで頂くと、補修作業に使用するシンナーや補修用スプレーには有機溶剤中毒予防規則の対象となる成分が大量に含有されていることが分かります。
有機溶剤はたまに使うだけなので特殊健康診断しなくて大丈夫ですよね?
引用:産業医explorer
上記を読んで頂くと、本来は補修業者の方たちが守らなければいけない義務とそれに違反した時の罰則についてが良く分かります。
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ポリパテや瞬間接着剤の代替となる補修用パテについて
充填に使用される補修用パテの中でもポリパテや瞬間接着剤、瞬間接着剤に使用するスプレープライマーには、有機溶剤中毒予防規則の対象となる物質や労働安全衛生法で規制されている成分が大量に含有されています。スプレープライマーは引火性・可燃性も高く、また吸い込むとかなり有害でスプレータイプで容易に空気中に放散されるため注意が必要です。
ポリパテに含有されているスチレンやエチルベンゼンは、特別有機溶剤として健康被害リスクのより高い成分(発がん性も認められるため)として定義されています。
補修作業に使用する充填材で法規制を受けない補修材は下記の3種類となります。
・モホーク・ハードフィル(硬度・耐久性はハードワックス系スティック充填材と同程度)
・キャラフUV硬化パテ(硬度・耐久性はポリパテと同程度)
・モホーク・ウッドカラーエポキシパテ(硬度・耐久性は高い)
ハードフィルとUV硬化パテは臭いもほとんど出ないので室内の換気のない場所でも安心して使用できます。
ウッドカラーエポキシパテは独特の臭気がありますが、粘土状・固形のエポキシパテは使用時の法規制は特にありません(液体状のエポキシパテやエポキシ系接着剤は消防法や労安法の規制対象になっている場合が多いです)。
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着色剤とシンナーの代替となる希釈剤について
着色作業で、着色剤の希釈に使用するシンナーは、もちろん有機溶剤中毒予防規則に該当します。
「ノントルエン」を謳った補修用ラッカーシンナーなども出されていますが、そのようなシンナーも大量のメタノール、酢酸エチル、酢酸ブチルなどが含有されているケースがほとんどです。
一例として「ノントルエン」を謳った、良く補修屋さんが使用するラッカーシンナーの安全データシートを確認すると、メタノール 25 – 30%、酢酸エチル 35 – 40%、酢酸ブチル 30 – 35%と有機溶剤中毒予防規則に該当する成分が大量に含有されている事が分かります。
補修作業に使用する着色剤と希釈剤で法規制を受けない補修材は下記の着色剤4種と希釈剤2種となります。
【着色剤】
・キャラフ・カラーパウダー
・モホーク・ブレンダルスティック
・モホーク・シェーディングペンシル
・キャラフ・アニリン染料(エタノールの含有割合が多く引火性が高いため消防法の規制対象になります)
【希釈剤】
・キャラフ・ウォーターベースリキッド(カラーパウダーの希釈・調色用)
・モホーク・フィニッシュアップポリウレタン(カラーパウダーの希釈・調色用)
特にカラーパウダーとウォーターベースリキッドの組み合わせは【有機溶剤特有の臭いを防止した安全性の高い補修材と補修方法】として特許取得済み(方法特許第7466293号)の補修方法となります。
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補修用の艶調整ラッカースプレーの代替となる補修材について
有機溶剤の中でも一番健康被害リスクが高いのが艶調整作業や仕上げ作業に使用される補修用ラッカースプレーです。
補修用ラッカースプレーもほとんどの製品が「ノントルエン・ノンキシレン」「F☆☆☆☆」を謳っていますが、代替成分として大量の酢酸エチルや酢酸ブチルを使用しているケースがほとんどです。
一例として「ノントルエン・ノンキシレン」と「F☆☆☆☆」2つの環境配慮を謳っている、補修屋さんが良く使用している補修用ラッカースプレーの安全データシートを確認すると、酢酸エチル 15 – 20%、
酢酸ブチル 5 – 10%と有機溶剤中毒予防規則に該当する成分が大量に含有されている事が分かります。
更に補修用のエアゾールスプレーの危険な点はスプレーする事で成分が室内に充満し、特別な換気装置が無い一般住宅の場合、呼吸器・眼・皮膚からこれらの有害な成分を吸収してしまう事になります。
最終的な補修の仕上げ段階で補修用ラッカースプレーを使用しないだけも作業中の有機溶剤中毒の発生や慢性的な有機溶剤使用による健康被害リスクを大幅に軽減する事ができます。
補修作業に使用する仕上げ剤で法規制を受けない補修材は下記の3種となります。
【中塗り・下塗り剤】
・キャラフ・水性サンディングシーラー(含有しているステアリン酸亜鉛、エチレングリコールモノブチルエーテルが労安法の規制対象物質になっていますが、有機溶剤中毒予防規則には非該当です)
【上塗り剤】
・キャラフ・ウォーターベースリキッド
・モホーク・フィニッシュアップポリウレタン
※上記はカラーパウダーの希釈剤としても併用できるので「臭いを出さない補修」で特に活躍します。
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臭いゼロだからどこでもできる!
ホームボディの推奨する「有機溶剤ゼロの臭いを出さない補修」は、キャラフシリーズ補修材を軸に、充填、着色、艶調整の各工程で臭いを出さない補修材を使用しています。
補修作業を行う職人さんの健康を守るだけでなく、臭いを出さない補修なので一般的な会議室・集会室でリペアスクールやリペア体験会を手軽に開催する事もできます。
大田区田園調布の集会施設「せせらぎ館」で開催したリペア体験会の様子です。
最終的にはキャラフ・水性サンディングシーラーとウォーターベースリキッドを使用して艶調整作業工程まで体験して頂きました。
下記の写真は、大手引越し業者さんの会議室でリペア講習会を開催した様子です。
フローリングのえぐれ傷やへこみ傷を約50名の方に補修体験して頂きました。
一般的な会議室で特別な換気装置はもちろん無かったですが、最終的にエアブラシを使用した艶調整作業まで、50名もの参加者の方が臭いゼロで快適に補修体験できました。


有機則対応物質を使用しない補修についてのお問い合わせ
有機溶剤中毒予防規則などの条例で規制されている有機溶剤成分を使用しない「臭いを出さない補修」に関してご不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせください。
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