目次
前回【リペア業界の話①】「世界のリペア業界」と「日本のリペア業界」の違いについての続きとなります。
独自の発展を遂げた「日本のリペア市場(フローリングなどの住宅内装補修市場)」について、その理由を更に掘り下げて考察していきたいと思います。
【リペア業界の話】なぜ「フローリングなどの住宅補修市場」規模が大きくなったのか
①新築住宅着工戸数の多さ
日本で「住宅補修市場」が成長し始めた1980年代後半くらいは年間の新設住宅着工戸数は150万戸前後、その後バブル経済が崩壊してからも常に年間100万戸以上は維持しており、リーマンショックが起こった2008年前後が100万戸を割っただけと日本の住宅市場は新築住宅を建て続ける「新築住宅信仰」が強い市場でした。
新築住宅=購入者であるホームオーナーさんも引渡し前の施主検査での見る目は厳しく、ちょっとした傷も全て手直しや交換を要求するケースも多いです。
これが中古住宅だと始めからある程度の傷や不具合は許容するのが当たり前ですから補修の必要性も違ってきます。
また、欧米の住宅市場では新築住宅よりも築年数の古い住宅の価値が高い事もあり(築400年の住宅が普通にあります。築年数が古くてもちゃんと住める=それだけちゃんと建築されていると判断されます。)、住宅内装のちょっとした傷は始めからあまり気にしない文化です。
②日本人の国民性&靴を脱いで生活する文化
前回の記事でも軽くお話ししましたが、木質フローリングが日本の住宅市場で普及し始めても日本人は基本靴を脱いで家に入る方がほとんどです。欧米のように土足で家の中で生活するとちょっとした傷や凹みはフローリングにつくのが当たり前ですが、靴を脱いで生活していると気になるし、えぐれ傷の場合は足のケガにもつながる可能性があります。
欧米では、それよりも「祖父母から受け継いだ家具を大事に補修・メンテナンスしながら使い続けよう」「愛着のある家具を補修・メンテナンスしながらできるだけ長く使い続けたい。」という事から補修業界が発展してきたのとかなり違います。
このような背景により、新築住宅の引渡し前の「施主検査」の前にちょっとした傷は補修して目立たなくしておこうという需要が増加し、補修業者さんや補修材の需要も増えてきました。
今では、「補修屋さん」と呼ばれる住宅補修を専門とする補修業者さんの数も世界的にも比類がないほど日本では多くなり、独自の発展を遂げています。
欧米のように「家具専門の補修業者さん・修理業者さん」は日本では少ないですが、
「住宅の補修業者さん・補修屋さん」の数は世界中で日本が一番多いです。
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【リペア業界の話】フローリング・家具用補修材料も日本独自の発展を遂げてきました。
補修をする目的が日本のリペア業界だけ特殊ですので、補修材料や補修術も日本では独自の発展を遂げてきました。
◆住宅内装材に使用される素材や仕上げに適した補修材料
モホーク社などでは、家具を補修・修理・再塗装するために適した補修材・ツール・塗料の開発に力を入れています(アンティーク家具などの補修ではアンティーク感を維持しながら補修できる補修材料など)。かたや日本のリペア市場では住宅内装材(フローリングなどの木質建材、サッシなどのアルミ建材や樹脂建材)の補修に適した補修材が独自に生まれてきています。
◆施主検査をクリアするため「耐久性」よりも「見た目の仕上がり」に重きを置いた補修材料と補修技術
モホーク社などでは、家具を補修・修理・再塗装した後でも本来の家具の強度や塗膜も回復できる補修材料を揃えていますが、日本のリペア市場では「耐久性」の回復よりも、いかに「見た目が分からなくなるか」の補修に重きを置いています。
特に日本のリペア業界では、補修後の最終的な仕上げにラッカースプレーを使用する事が多く(補修箇所の艶を周囲と合わせるため)、フローリングなどに使用した場合はフローリング本来の耐摩耗性や耐溶剤性から大きく劣った仕上がりになりますが、見た目にはどこに傷があったのか分からないくらいきれいに補修してくれる補修業者さんが多いです。
これも日本のリペア業界の特異性の弊害ですが、住宅引渡し前の「施主検査」をクリアするのが補修の目的なので、将来的な耐久性よりも見た目の仕上がりに重きを置いてしまいます。
但し、その代わり日本の補修業者さんの技術は海外の補修業者と比較しても高く、大きな傷でも全く分からなくなるくらいの仕上がりにできる方が多いです。
次回は、日本独自の発展を遂げてきた【リペア業界の話③】DIY補修市場(自分でフローリングの傷を直す市場)」について話していきます。
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